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2021年12月09日

胎児の神秘

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こんにちは。

喜多整骨堂堂主の喜多研二です。

 

昔、柔整の専門学校生のころ、

ヒトの身体の構築を学ぶ「解剖学」という学問が好きでした。

整骨院の運営には解剖学や生理学といった学問は、

筋肉と骨格に関するとこ以外はあまり必要ないかもですが、

人の身体の神秘的な発見が多々できるところが好きで、

「おお、なるほど、そうだったのか~」っていう多くの新たな知識というか発見がありました。

 

数多くの「おお~、なるほど」のなかでも

とりわけ今でも心に残る「おお~」がいくつかあるのですが、

今日は「卵円孔」という穴についてお話したいと思います。

 

通常ヒトの心臓は右と左に隔てられていて、

右半分は酸素を含まないどす黒い血(静脈血)、

左半分は酸素をたっぷりと酸素を含んだ真っ赤な血(動脈血)で満たされていて、

互いに混じり合うことはありません。

 

子宮内の羊水の中で育つ胎児には肺が必要ないのですが、

胎児の心臓の右と左を隔てている壁には

「卵円孔」という穴が開いていて、

胎児の血液は卵円孔を通ることで

肺循環を経ることなく

体循環の途中でへその緒から酸素を摂取出来るようになっているのです。



そーゆー訳で「卵円孔」は胎児の心臓にのみ存在する穴です。

この穴は通常、出産後数時間で自然に塞がってしまいますが、

たまに完全に塞がらないヒトがいて、

卵円孔開存症(心房中隔欠損症(ASD)の一種)という病気なります。

 

さらりと「出産後数時間で自然に塞がる」と言いましたが、

そこのところにすごい生命の神秘を感じません?

よく考えると、赤ちゃんが誰の手も借りずに自ら体内で

へその緒の循環を閉じ、

卵円孔を塞ぎ、

肺呼吸を開始するというところが

僕にはとてつもなく神秘に満ちた現象だと思うのです。

 

まあ、本当は

へその緒からの酸素供給が絶たれると肺循環が開始され、

左心房圧が高くなり

苦しくなっておぎゃあと泣いた瞬間に

右心房の圧が低下することで卵円孔弁が卵円孔に押しつけられ

卵円孔が閉じる

ってゆーメカニズムらしいんですけど、

 

すごくない?

 

皆さん、赤ちゃんはな~んにも知らずに

真っ白なゼロの状態で生まれてくると思ってませんか?

いやいや、赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいるときから

実はかなりの部分で自立してて

けっこう生きる術をすでに持っていて一生懸命行使しているのですよ。

いやあ~、すごいことですよ。

生きようとする生命の神秘ですね~。



 

 

 

 

 

 

 

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